この記事のポイント4点
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リースバックとリバースモーゲージの違い
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売却・家賃相場について
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リースバックのメリット・デメリット
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住み続ける際の注意点
このページのもくじ
リースバックとは
急にお金が必要になったものの、手元に十分なお金がなく、どうやって資金を調達すべきか悩んでいる方も多いでしょう。
マイホームを所有している場合、不動産を売却する、リースバックやリバースモーゲージを利用するといった方法を選択すれば、必要な資金を調達することが可能です。
しかし、どの資金調達の手段を選ぶべきか分からない方も多いでしょう。自分に合った資金調達の手段を選ぶには、特徴や違いを把握することが大切です。
リースバックとは何か、リバースモーゲージとの違いや売却価格・家賃などの相場について詳しく見ていきましょう。
家を売って住み続けることが可能
リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を調達できる一方、買主と賃貸借契約を締結して家賃を支払いながら売却した家に住み続けることができる契約形態のことです。
一般的な不動産売却は、自宅を売却してまとまった資金を調達できるという点は同じです。しかし、買主は自身が居住することを目的として購入するため、売主は売買契約を締結後は引っ越さなくてはなりません。
そのため、まとまった資金を調達したい、売却後の自宅に住み続けたいと考えている方は、一般的な不動産売却ではなく、リースバックを選択すれば目的を達成できるでしょう。
リバースモーゲージとの違い
リバースモーゲージとは、所有するマイホームを担保に融資を受ける契約形態のことです。リースバックはリースバック業者に不動産を売却するので、所有者はリースバック業者に変わります。そのため、固定資産税や都市計画税などの税金、マンションの場合の管理費や修繕積立金などの維持費は、所有者であるリースバック業者が負担します。
しかし、リバースモーゲージは所有者が変わりません。そのため、上記のような各種税金や維持費などは引き続き所有者が負担することになります。
また、リースバックで手に入るお金は売却代金なので、資金用途が制限されません。しかし、リバースモーゲージで手に入るお金は融資なので、事業資金は不可といったように用途が一部制限される可能性があるという点で違います。
売却価格の相場
リースバックを利用した場合における売却価格の相場は、市場価格の70~90%程度です。一般的な不動産売却の市場価格よりも安くなるという点に注意してください。
リースバック業者は、契約者が買い戻しを実行せずに賃貸契約を解消した場合、第三者に不動産を売却する必要があります。
売却する際は経年劣化に対してリフォームやリノベーションをする費用がかかる、買主が見つからない可能性があるといったようにリスクが高いです。買取価格を安く設定すれば少しはリスクを抑えられるため、市場価格よりも安く設定しているのです。
家賃の相場
リースバックを利用した場合の1ヶ月分の家賃の相場は、売却価格×利回り(7~12%)÷12ヶ月です。
例えば、売却価格が1,500万円、利回りが10%の場合には、1,500万円×10%÷12ヶ月=12万5,000円が1ヶ月分の家賃になります。
一般的に周辺の類似物件の相場よりも家賃が高く設定される傾向があります。その理由は、リースバックは既に借主が決まっている状況なので、周辺相場を意識して家賃を設定する必要がないためです。
賃貸期間が長くなると、住居費の負担が重く感じる可能性があるので注意してください。
買戻価格の相場
リースバックを利用した場合における買戻価格の相場は、売却価格×1.1~1.3程度です。買戻価格が売却価格よりも高く設定されていることに驚いた方も多いでしょう。
リースバックでは、売却時に市場相場の70~90%程度で買い取り、買戻時には市場相場と同じ価格で売却します。そのため、買戻価格は買取価格よりも高くなるのです。
契約書に買戻特約が盛り込まれている場合は買い戻せるのが魅力のリースバックですが、買戻価格が割高である点に気を付けましょう。
リースバックのメリット・デメリット
リースバックが最適な資金調達の手段とは限りません。利用してから後悔しないためには、リースバックのメリット・デメリットを事前に把握しておくことが大切です。
リースバックの主なメリット・デメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 用途自由な資金を確保できる
- 引っ越さずに済む
- 条件が悪い可能性がある
それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
用途自由な資金を確保できる
リースバックで手に入るお金は売却代金なので、資金用途の制限を受けません。そのため、資金調達の目的が事業用資金の確保であっても問題なく利用できます。
しかし、リバースモーゲージの場合、手に入るのは金融機関の融資なので資金用途の制限を受けます。そのため、用途によってはリバースモーゲージを利用できません。
また、不動産を担保にお金を借りるローンも資金用途を制限されて、借りるたび資金用途を確認されるので不便です。
資金用途を制限されず、自由にお金を使えるので利便性が高い点がリースバックの強みと言えるでしょう。
引っ越さずに済む
リースバックは売却後の自宅に住み続けられるので引っ越す必要がありません。そのため、新居を探す手間や時間、引っ越しにかかる費用などを省くことができます。
一般的な不動産売却の場合は、売却後の不動産に住み続けることができないため、売却後は引き渡しまでに新居を探す、引っ越しの手配を済ませなくてはならず大変です。
しかし、リースバックであれば、そのような手間や費用を省けるほか、生活環境を変えずに今まで通りの生活を送れる点がメリットと言えるでしょう。
条件が悪い可能性がある
リースバックを利用した場合、売却価格が一般的な不動産売却よりも低い、賃料が一般的な賃貸物件よりも高い点に注意が必要です。
また、契約書に買戻特約が盛り込まれている場合、売却した家を買い戻すことが可能ですが、買戻価格は売却価格よりも割高に設定されています。
例えば、現在の家に住み続けることにこだわっていないのであれば、一般的な不動産売却を選択して周辺の賃貸物件を借りたほうが多くのお金が手に入り、住居費を抑えられます。
上記のように状況によっては他の選択をしたほうが良いケースもあるのでよく考えてから契約しましょう。
リースバックのメリット・デメリットを詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
家を売って住み続ける際の注意点
リースバックを利用すれば家を売って住み続けることが可能です。しかし、リースバックを利用する際は、以下の3つの点に注意が必要です。
- 住み続けられるとは限らない
- 家賃が割高なので長期の賃貸には不向き
- リフォームするには許可が必要
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
住み続けられるとは限らない
定期借家契約は原則契約期間満了とともに契約が終了するため、更新したい場合は貸主と交渉して再度契約を締結しなくてはなりません。普通借家契約は更新が原則ですが、貸主が正当事由を備えている場合は契約の更新を拒否できます。
上記のように必ず住み続けられるわけではないという点に注意してください。
家賃が割高なので長期の賃貸には不向き
リースバックの場合、家賃が周辺の類似物件の設定よりも割高です。そのため、契約期間が長くなると、その分だけ住居費の負担が大きくなる点に注意してください。
そのため、買い戻しを検討しているのであれば、費用負担を少しでも軽減するためにも早く買い戻すことをおすすめします。
また、売却後の自宅でしばらく暮らしてから新居探しに移ろうとしている方は、ダラダラと先延ばしにならないように計画的に転居を進めましょう。
リフォームするには許可が必要
マイホームは、基本的にリフォームを自由に行えます。しかし、リースバックは、所有者がリースバック業者になるため、リフォームを自由に行えません。
もし、リースバック中にリフォームを行いたい場合は、その都度リースバック業者の許可を得なくてはなりません。
利用が制限されて煩わしさを感じる可能性があることを理解しておきましょう。
まとめ
一般的な不動産売却は、買主が購入後の家に住むため、売主は家を売って住み続けることはできません。
しかし、リースバックであれば、家賃を支払うことで家を売って住み続けることが可能です。そのため、まとまったお金が必要なので家を手放す必要があるものの、住み慣れた自宅から離れたくないという方には、リースバックをおすすめします。
ただし、リースバックにはメリット・デメリットがあり、利用してから後悔しないためにもリースバックの仕組みをしっかり理解してから契約しましょう。
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