この記事のポイント3点
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リースバックできないケース【建物編】【土地編】【その他】
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リースバックを選ぶメリット
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リースバックを選ぶ際の注意点3つ
このページのもくじ
リースバックできないケース【建物編】
売却代金が手に入り、家賃を支払いながら住み続けることが可能です。
そのため、まとまったお金が必要で現在の住まいに住み続けたいという方に向いています。住宅ローンの返済が残っている場合も、基本的には利用できます。では、どのようなケースでリースバックを利用できないのでしょうか?
リースバックを利用できない主な理由として、建物に以下のような問題があり、資産価値が低いことが挙げられます。
- 物件に欠陥がある
- 既存不適格物件である
- 特殊な条件が付いている
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
物件に欠陥がある
物件に欠陥があって、本来備わっているはずの品質や性能などが備わっていない場合には、基本的にリースバックを利用できません。物件の欠陥とは以下のようなものです。
- 物理的な欠陥
- 環境的な欠陥
- 心理的な欠陥
物理的な欠陥とは、雨漏りやシロアリなどが発生しているといった欠陥です。欠陥の影響が小さい場合は、リースバックを利用できる可能性があります。
環境的な欠陥とは、近くに火葬場がある、墓場がある、暴力団事務所があるなどです。必ず利用できないというわけではありませんが、最終的な売却に影響が出る可能性があるため、利用できない場合があります。
心理的な欠陥とは、物件内で殺人や自殺などの死亡事故があったことです。環境的な欠陥と同様、最終的な売却に影響が出る可能性があるため、利用できない場合があるでしょう。
既存不適格物件である
既存不適格物件とは、現行の建築基準法や消防法といった建築ルールを遵守できていない物件です。時間の経過とともに建築ルールは見直しが行われており、建築当初は各ルールを遵守していたものの、見直しによって遵守しなくなることがあります。
現行の建築ルールを遵守していない物件には、建物を解体すると再建築できないといった制限が加わるため、資産価値が低いという理由からリースバックを利用できない可能性が高いです。
必ず利用できなくなるというわけではありませんが、既存不適格物件だとリースバックを利用できない可能性があることを理解しておきましょう。
特殊な条件が付いている
特殊な条件とは、店舗併用住宅や二世帯住宅などです。一般的な不動産の場合は、最終的に不動産を売却することになってもある程度の需要が期待できます。
しかし、店舗併用住宅や二世帯住宅などの需要が限られた不動産の場合、最終的に不動産を売却することになっても需要の低さから買い手を見つけることが容易ではありません。
既存不適格物件のケースと同様で、必ず利用できないというわけではありませんが、特殊な条件が付いている物件は利用できない可能性があるので注意してください。
リースバックできないケース【土地編】
建物に問題がある場合だけでなく、土地に問題がある場合もリースバックを利用できない可能性があります。
リースバックを利用できない主な理由として、土地に以下のような問題があり、資産価値が低いことが挙げられます。
- 権利が借地権である
- 市街化調整区域に位置する
- エリア外の土地である
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
権利が借地権である
借地権とは、土地の所有者に対して地代を支払うことによって建物を利用できる権利です。一般的な不動産では、土地と建物の所有者が一致しています。しかし、借地権の付いている不動産では、土地と建物の所有者が一致しません。
借地権の付いている土地を売却する際は、土地の所有者の許可が必要です。リースバックを利用するためには、まず土地の所有者の許可を得て、さらにリースバック会社の許可を得る必要があります。
土地の所有者の許可を得られても、権利が借地権であることを理由にリースバック会社が許可を出さない可能性があるということを理解しておきましょう。
市街化調整区域に位置する
市街化調整区域とは、自治体が定めている市街化を抑制すべき区域のことです。市街化調整区域の土地は、建物の建築に制限がかかっていることから、建て替えをすることが容易ではありません。
築年数が浅い物件の場合は建て替えまでに余裕があるため、需要があるかもしれませんが、築年数の経過した物件の場合は需要があまり期待できないでしょう。
最終的に不動産を売却する場合に買い手を見つけることが容易ではないという理由から、利用できない可能性が高いので気を付けてください。
エリア外の土地である
リースバックを提供しているリースバック会社や不動産会社などが全国各地にサービスを提供しているとは限りません。
最終的に不動産を売却することになった場合、需要の低さから買い手が見つからなければ事業者が損をしてしまいます。
そのような事態を回避するために、リースバックに対応している地域を需要が期待できる都市部に限定している事業者も少なくありません。所有している土地がエリア内かどうか事前に確認しておきましょう。
リースバックできないケース【その他】
リースバックを利用できないケースには、他にも以下の3つが挙げられます。
- 売却するのが共有持ち分である
- 残債が多すぎる
- 利用者の収入面に問題がある
売却するのが共有持ち分である
共有持ち分とは、複数人で不動産を所有している場合における自身に割り当てられている持ち分のことです。以下のようなケースでは、単独所有ではなく共有持ち分となります。
- 不動産を相続する際に共有分割を選択した
- 夫婦や親子でペアローンを契約した
共有持ち分の場合には、単独でリースバックを申し込むことはできません。リースバックを利用するには、共有持ち分を有する全員の承諾が必要です。承諾が得られないケースでは、リースバックを利用できないので注意しましょう。
残債が多すぎる
住宅ローンが残っているケースでも基本的にリースバックを利用することは可能ですが、残債によっては利用できない可能性があります。その理由は、抵当権を抹消できない場合は不動産を売却できず、リースバックを利用できないためです。
例えば、売却代金が残債を上回っている場合、売却代金で住宅ローンを完済でき、不動産に設定されている抵当権を抹消できるので問題ありません。
しかし、売却代金が残債を下回っている場合、売却代金で住宅ローンを完済できないため、自己資金で残債をカバーする必要があります。自己資金でカバーできればリースバックを利用できますが、カバーできない場合は抵当権を抹消できないので利用できないでしょう。
利用者の収入面に問題がある
リースバックを利用する場合は、リースバック会社や不動産会社と売買契約・賃貸借契約を締結します。
賃貸借契約を締結する際は、家賃の支払い能力に問題がないかどうか確認するための審査が実施されます。もし、利用者の収入面に何らかの問題があると判断されると、賃貸借契約を締結できないため、リースバックを利用できません。
例えば、過去にローンの滞納があった、高齢者または生活保護受給者であるといった場合は審査に通らず、リースバックを利用できない可能性があります。ただし、保証人を付ければ利用できる可能性もあるため、一度事業者に相談してみましょう。
リースバックを選ぶメリット
不動産の売却方法として、リースバックを利用することには、主に以下のようなメリットが挙げられます。
- マイホームに住み続けられる
- 将来的に買い戻せる
それぞれのメリットを詳しく説明していきます。
マイホームに住み続けられる
不動産の売却方法には、不動産会社に仲介を依頼する一般的な不動産売却、売主から住宅を買い取って転売する不動産買取などがあります。
不動産売却と不動産買取は、どちらも契約成立後に物件を引き渡さなくてはならないため、マイホームに住み続けることはできません。
しかし、リースバックは売却後の住宅に家賃を支払いながら住み続けられる契約形態です。そのため、不動産を売却してまとまったお金を手に入れる必要があるものの、マイホームに住み続けたいという方に向いています。
将来的に買い戻せる
リースバックでは、契約に買い戻し特約が盛り込まれている場合は、最終的にマイホームを買い戻すことが可能です。
一般的な不動産売却や不動産買取で不動産を売却すると、新たな所有者が手放さない限りマイホームを買い戻すことはできません。
しかし、リースバックでは、お金の問題が解決して買い戻しに必要なお金が貯まっていれば買い戻せます。将来マイホームを買い戻したい方はリースバックに向いているでしょう。
リースバックを利用するメリットは他にも多数あります。下記の記事ではリースバックのメリットを6つ紹介しています。
リースバックを選ぶ際の注意点
不動産の売却方法としてリースバックを選ぶ際は、以下の3つの点に注意が必要です。
- 売却価格が相場よりも低め
- 家賃が相場よりも高め
- 買い戻しの条件が高め
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
売却価格が相場よりも低め
リースバックでは、物件を売主に賃貸物件として貸し出すため、運用時の利回りを考慮して買取価格が設定されます。そのため、基本的には一般的な不動産の相場よりも2~3割程度低くなる傾向があります。
しかし、リースバックは買主である事業者と売主の双方が条件に合意すれば、すぐにお金を手に入れることが可能です。すぐに現金化したいと考えている方はリースバック、少しでも高く売却したいと考えている方は一般的な不動産売却と、目的に合うほうを選びましょう。
家賃が相場よりも高め
リースバックの家賃設定は周辺相場と比べて高めです。その理由は、リースバックの家賃は買取価格や利回り、維持費などに基づいて算出されるためです。
家賃が相場よりも高いということは住居費の負担が大きいため、契約期間が長期であれば損をすることになります。
特にマイホームに住み続けることにこだわりがない場合は、一般的な不動産売却を選択し、別の物件を借りることをおすすめします。そうすれば、不動産が高く売れることで手に入るお金が増え、賃料を下げることによって住居費の負担を軽減できるでしょう。
買い戻しの条件が高め
リースバックでは、契約に買い戻し特約が盛り込まれている場合は、将来的にマイホームを買い戻すことが可能です。
しかし、買い戻し価格は買取価格よりも高めに設定されているため、買い戻しのハードルが高いことが多いです。将来的にマイホームを買い戻そうと考えていたものの、資金がうまく貯まらず、買い戻しが実現せずに終わってしまう可能性もあります。
リースバックは家賃負担も大きく、買い戻しまでの期間が長いほど買い戻しに不利なので、買い戻しを希望している方は資金計画に気を付けましょう。
まとめ
リースバックを利用できない可能性があります。
住宅ローンが残っている場合も基本的にはリースバックを利用できますが、残債が多いと利用できない可能性があるので注意してください。
また、リースバックが利用できる場合でも、リースバックが不動産売却の最適な選択肢とは限らない可能性があります。リースバックを利用するメリット、利用する際の注意点などをしっかり確認してから自分に合った売却方法を選択しましょう。
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